さとこから「ブログに記事を書いてほしい」とお誘いを受けてから、何書こうかな〜〜と頭を捻りひねり、時間だけが経ってしまった。。
勝浦はすっかりおひな祭りモードですね。
この時期になると、わたしが初めて上勝(勝浦じゃないんかい)に移り住んできた頃を思い出します。
さて、初めましての人もそうでない人も、こんにちは。
ちはるです。
福井で生まれ、京都の大学へ通い、兵庫で働き、3年前に上勝へ移り住んできました。
こちらに来て2年、上勝の会社で働き、昨年4月からは上勝の移住担当として役場で働いています。
さとことは京都の大学が同じで、関わりがある坂本の方たちには「さとこちゃんの大学のお友達」という入りだったと思います。
こちらに来るきっかけは3年前、当時住んでいた兵庫からさとこの住む徳島へ遊びに来ていたときに「実は今働いている上勝の会社で人を募集していて」という話を聞いたからでした。その時毎日淡々とパソコンに向かう仕事をしていたわたしは「何か自分の人生が変わるチャンスかも、おもしろそう!」と、あまり深く考えずに移住を決めてやってきました。
住み始めたのは2月。ちょうどお雛祭りに向けて勝浦町内が彩られる時期でした。
こちらに来てからまだ右も左も分からなかった3月、さとこから「坂本のおひな街道においでよ!」と誘ってもらったのが坂本の方たちと関わるいちばん初め。
イベントだからというのもあるのかもしれないけれど、まるで昔からのご近所さんのようなフレンドリーさと元気いっぱいハツラツとした皆さんにとにかく楽しませてもらいました。
地元のひとたちが自分たちで地域を盛り上げているのって、いいな、素敵だな。と感じた日でした。
いちばん初めにそれを坂本で感じたからか、わたしが住み始めた上勝ではあまり地元の人との関わりがなく、少し寂しさを覚えました。
後に、それは自分から関わろうとしていなかったことを痛感しますが、上勝はどちらかというと移住者が地域の為に外から新しいことを取り入れて盛りあげているイメージでした。
こんな田舎でこんなことが出来るんだ!
こんなお洒落なところがあるんだ!
目に映り、耳に入ること全てが新鮮で「上勝面白い!」とワクワクがいっぱいでした。
わたしも何か関われないかなあ、と模索していましたが、辿り着いたところは、”凄い人が多すぎて凡人なわたしはついていけない”という気持ちでした。
能力のあるひとしか居られなところなんだ、勝手にそんな気持ちになっていました。
ところが、昨年の4月、仕事が変わり移住の窓口として新たに働き始めた頃をきっかけに、生まれも育ちも上勝という地元の方と関わる機会が多くなりました。
「遠いところからこんなとこにわざわざ若い子が来てくれるなんて嬉しいわ」と、ただ来たことだけでとても喜んでくれる人がいて、何故だか自分の存在価値が認められたような気分になってとても嬉しくなりました。
なんでも自分たちで作り、壊れたら自分たちで直す。不便さも工夫で補ってきた技術や知恵、文化や伝統、そういう暮らしの中で生きてきた人たちと関わる日々はとても尊いものに思えました。
そして、その時に思ったことは、わたしは新しいことを取り入れて何かを起こしていくことよりも、地元のひとに寄り添いながら、地元のひと+移住者でこそできることを見つけてやっていきたいということでした。
ある日、高齢化率80%を超える集落でお手伝いをしているとひとりのおじいちゃんが言いました。
「この集落はやがて消滅集落になる」と。
その時、わたしの中でその言葉に反射するように「絶対に嫌だ!」という気持ちが動きました。
とは思うものの、まだよく顔も覚えられていないわたしになにができるのだろう。「こんなところに」と口を揃えて地元の人がいう台詞をとても切なく感じながらも、どうしたら地元のひとが今ある環境をわたしと同じく尊いものと実感してくれるのだろう、自分たちの地域を自分たちで守り続けていくぞ、という気持ちになってくれるのだろう、とぼんやり考える日々が続きました。
そんな時に、さとこが坂本の人たちを対象に小水力発電をつくることを目標に掲げたキックオフイベントを企画しているのを聞きつけました。
勝浦のことだから上勝は関係ない?いやいや、地域のことを地域のみんなで考えていくという目標は同じなんだから何かヒントがあるかも!という思いで参加。
映画やトークセッションからわたしが感じたことは「動けば変わる」ということでした。わたしだけではない、きっと仲間がいる、その仲間となら、そんな高揚感がありました。
もっと知ってもらおう、伝えていこう、地道かもしれないけれどこれがきっと輪になるときがくる。そう思って今わたしは上勝で動いています。
なぜ縁もゆかりもないこの地域に?と、自分でも問いたくなるときがあります。実際は自分でも分かりません。
でも、わたしは今ここでの暮らしがただ楽しくて好きなんです。
この地域の為になにかしたい、しなければ、と気負うこともなく、楽しくて好きな場所がずっとこういう風に続いてほしい。それだけだなと思います。
だから、もっと地元の人を巻き込んで楽しいことをしたい。わたしたちが来たからあらためて出来るようなことが再熱したりしてほしい。
なんせ、楽しくやりたい。
大学生のとき、さとこと夜な夜な未来について語り合った日がありました。
「将来、なにか一緒に楽しいことできたらいいね」
今、場所は違えど同じ気持ちで動いているんだと思います。
たくさん仲間をつくって一緒に楽しいことを共有しよう。
みんなで手を繋げばもっと楽しくなると信じて。
動けば仲間は自ずとついてくる、と今日も邁進中なちはるでした。